高校陸上界に、新たな歴史を刻むランナーが現れました。
兵庫県の名門・西脇工業高校の新妻遼己(にいづま はるき)選手です。
新妻遼己選手は今年、インターハイと国民スポーツ大会(国スポ)の両方で5000mを制し、見事に「高校二冠」を達成しています。
特にインターハイでの優勝は、日本人選手として32年ぶりという歴史的な快挙であり、留学生選手を抑えての勝利は多くの陸上ファンを熱狂させました。
圧倒的なスピードと勝負強さを兼ね備えた新妻遼己選手。
今回は、彼のこれまでの軌跡や、彼を支える兄弟の存在について深掘りしていきます。
少年A5000m・新妻遼己13分35秒33で自己新V インターハイとの日本人長距離2冠は1991年渡辺康幸以来/#滋賀国スポ
— 月陸Online/月刊陸上競技 (@Getsuriku) October 3, 2025
3000m以降はジェームス・カルリとのマッチレースに。残り300mで先頭に立ち、そのまま逃げ切った。#新妻遼己
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〜もくじ〜
新妻遼己のプロフィール
名前:新妻 遼己(にいづま はるき)
生年月日:2007年度生まれ
出身:兵庫県加古川市
身長:?cm
経歴:加古川市立平岡東小学校→加古川市立平岡中学校→兵庫県立西脇工業高等学校

新妻遼己の小学中学時代
小学生時代、新妻遼己選手は加古川市立平岡東小学校に通っていました。
小学生時代から陸上を始めていたようですが、当時の公式記録としては、新妻遼己選手自身の名前は見当たらず、双子の弟である昂己(こうき)選手が小5の時に加古川駅伝に出場していた記録が残っているのみです。
その後、加古川市立平岡中学校へ進学すると、その才能が一気に開花します。
当時の平岡中は陸上競技部がそれほど強豪というわけではありませんでしたが、新妻兄弟の入学がチームを大きく変えました 。
中学時代の主な活躍
チーム実績:2022年の近畿中学駅伝で優勝し、全国中学校駅伝(全中駅伝)への初出場を果たしました。
全中駅伝:初出場ながら見事に5位入賞に貢献。
新妻遼己選手自身はエース区間の1区(3.0km)を走り、9分05秒で区間賞を獲得しています。
トラック競技:全国中学校陸上競技選手権大会の3000mでは8分20秒60を記録して2位に入りました。
中学時代の自己ベストは3000mで8分16秒78(中学歴代3位)、
1500mで3分55秒32(中学歴代7位)と、この頃からすでに全国トップレベルの実力を証明していました。
新妻遼己の高校時代
中学卒業後は、陸上の名門・西脇工業高校へ進学。
高校3年生となった2025年、新妻遼己選手はまさに「無双」の強さを見せつけます。
インターハイでの歴史的勝利
7月に福岡で行われたインターハイ男子5000m。
新妻遼己選手は、残り1000mで先頭に立つと、ラストスパートで日本人ライバルたちや留学生を突き放し、13分50秒05で優勝しました。
この種目での日本人優勝は、1992年以来32大会ぶり。
「世界を目指すのであれば優勝しないといけないと思っていた」
と語るその走りは、自信に満ち溢れていました。
国スポでの自己ベスト更新
続く10月の国民スポーツ大会(佐賀国スポ)少年男子A5000mでも、その勢いは止まりません。
レース終盤まで留学生のジェームス・カルリ選手(青森山田高)と競り合い、残り300mでスパート。
自己ベストを大幅に更新する13分35秒33で優勝を果たしました。
この記録は、西脇工の先輩である長嶋幸宝選手(現・旭化成)が持っていた学校記録(13分37秒46)をも塗り替えるものでした。
駅伝での活躍
11月の兵庫県高校駅伝では、エース区間の1区(10km)を担当。
28分22秒という驚異的なタイムで区間新記録を樹立し、チームを2年連続の優勝へ導きました。
兵庫県高校駅伝
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男子1区(10km)6km地点
西脇工・新妻遼己が独走!
後続に1分以上の差をつける!#全国高校駅伝 pic.twitter.com/fVHX9wKdXe
新妻遼己の兄弟
新妻遼己選手を語る上で欠かせないのが、同じく陸上競技に打ち込む兄弟の存在です。
3兄弟全員が兵庫県代表に選ばれたこともある陸上エリート一家です。
兄:新妻 玲旺(にいづま れお)
遼己選手の3学年上の兄・玲旺さんも西脇工業高校出身のランナーです。
高校時代には全国高校駅伝に2度出場。
現在は神奈川大学陸上部に所属しています。
箱根駅伝には1年生から2年連続で出場するなど、大学駅伝の舞台でも活躍しています。
箱根駅伝
— Ⓜ︎ (@m_2D4390) January 3, 2024
7区 神奈川大学
新妻玲旺(1年)
神大1年生唯一の出走となった玲旺くん。
頑張った!#第100回箱根駅伝 #箱根駅伝#神奈川大学#弱気こそ最大の敵 #常に全力チーム神大#にいづ頑張れ pic.twitter.com/7sQLk6zuLB
双子の弟:新妻 昂己(にいづま こうき)
そして、遼己選手の双子の弟である昂己選手。
彼も現在、西脇工業高校陸上部のキャプテンとしてチームを牽引しています。
昂己選手は、輝かしい実績を残す兄・遼己選手に対し、
「情けない気持ちでいっぱいだった」
と苦悩した時期もあったそうです。
インターハイ出場を逃し、主将としても結果が出せない日々。
しかし、「遼己があんな走りをしているなら、俺もやらなきゃ」と奮起し、夏場の猛練習を経て急成長しました。
その努力は実を結び、兵庫県高校駅伝では3区で区間新記録をマーク。
1区の遼己選手と共に「兄弟区間新」を達成し、遼己選手をして「ダブルエースと呼ばれるような走りができた」と言わしめました。
「遼己があんな走りをしているなら、俺もここでやらなきゃどうするんだって、気持ちをしっかり奮い立たせてやってこられました。‥
— 兵庫陸上 28 Athletics Report(ひょうあす) (@kusamo_saitaro) December 17, 2025
くさっている暇はなかったです」
全国高校駅伝 西脇工高の双子ランナー・新妻昂己
仲間と共に優勝狙う | | ベースボール・マガジン社 https://t.co/o48kmrCPoh
新妻遼己の進路
新妻遼己選手はまだ高校卒業後の進路は公表されていません。
しかし、ネット上では弟の昂己選手とともに早稲田大学に進学するのでは?と言われています。
学法石川の増子陽太選手や鳥取城北の本田桜二郎選手も早稲田大学への進学の噂がありますね。
気の早い人たちの間では、すでにこの3人は“早稲田の新三羽烏”と呼ばれているようです。
本田桜二郎選手についてはこちらを→本田桜二郎の進路は早稲田大学?兄弟もすごい?出身中学や自己ベストは?
新妻遼己の自己ベスト
1500m:03分40秒83
3000m:08分20秒60
5000m:13分35秒33
新妻遼己のまとめ
新妻遼己選手は、中学時代から全国区で活躍し、高校3年生で日本の高校長距離界の頂点に立ちました。
中学時代:全国中学校駅伝1区区間賞、3000m中学歴代3位の記録を持つ。
高校の偉業:インターハイ5000mで32年ぶりの日本人優勝、国スポ優勝の「二冠」を達成。
兄弟の絆:兄は神奈川大の玲旺選手、双子の弟は西脇工主将の昂己選手。
新妻遼己選手の高校最後の目標は、12月の全国高校駅伝(都大路)での「1区区間賞」と「チームの優勝」です 。
昨年都大路1区で日本人最高記録を出した鈴木琉胤選手(現・早大)からは
「次はお前が超えろ」
とエールを送られています。
果たして新妻遼己選手がどのような走りを見せてくれるのか!?
今年の全国高校駅伝が待ち遠しいですね!


