甲子園でベスト4を経験し、一浪を経て東京大学に合格。
そのユニークな経歴が話題を呼んでいる左腕投手がいます。
東京大学野球部に所属する松本慎之介投手です。
東大野球部にこれほどの実績を持って入部してきた投手は、これまでほとんど例がないといっても過言ではないでしょう。
今回は、そんな松本慎之介投手の歩みを、幼少期から大学での活躍まで丁寧に振り返ってみます。
東京大学・松本慎之介 選抜ベスト4進出に貢献した左腕、「先発で2勝」有言実行の秋 https://t.co/k3lXZkxHOV
— こう (@koh_bbbb) November 4, 2025
松本慎之介のプロフィール
名前:松本 慎之介(まつもと しんのすけ)
生年月日:2005年1月12日
出身:東京都武蔵野市
身長:172cm
体重:84kg
投打:左投げ左打ち
ポジション:ピッチャー
経歴:武蔵野市立桜野小学校→國學院大學久我山中学校→國學院大學久我山高等学校
松本慎之介の家族
松本慎之介投手は家族は父と母と姉の4人家族です。
お父さんはあまり口出しをしないタイプで、松本慎之介投手が怒られた記憶もないほど穏やかな存在。
一方のお母さんは「ちゃんと勉強しなさい!」と熱く背中を押すタイプだったといいます。
「その対極的なところが、勉強も運動も頑張れた理由だったかもしれない」と松本慎之介投手自身が振り返っているように、バランスのとれた家庭環境が文武両道の土台になったようです。
松本慎之介の小中学時代
野球との出会いは小学3年生のとき。
2013年に開催された第3回WBCをテレビで観戦し、野球に興味を持ちました。
ちょうどその頃、近所の公園で友人が野球をしていて誘われたことがきっかけとなり、地元の少年野球チーム・桜堤ユニバースに加入。
左投げだったこともあって、ファーストとピッチャーを兼任するかたちでプレーをスタートさせます。
小学6年時には武蔵野市選抜に選ばれ、都大会で3位という実績も残しています。
そして小学5年の夏、神宮球場で観戦した國學院久我山高校の試合が、松本慎之介投手の進路を決定づけました。
「活気があって、食らいついていく姿勢、泥臭い野球に惹かれました」
という言葉が、当時の印象を鮮明に物語っています。
その後、中高一貫校である國學院大學久我山中学校へ進学。
同中学には野球部がなかったため、田無シニアでプレーを続けました。
松本慎之介の高校時代
國學院久我山高校に進学後、松本慎之介投手は2年夏からベンチ入りを果たします。
2年秋の東京都大会では3試合に登板し、合計12回を投げて防御率2.25の好成績。
チームの37年ぶりの東京都大会優勝に大きく貢献しました。
続く明治神宮大会では2イニングを4失点と崩れ、初戦敗退。
大会終了後の11月には元メジャーリーガーのイチロー氏がグラウンドを訪問し、直接指導を受けるという貴重な経験も。
その際にイチロー氏が口にした「僕は文武両道にすごく憧れていた」という言葉は、松本慎之介投手の心に深く刻まれています。
翌3年春のセンバツでは、全4試合中3試合に登板してベスト4進出。
2回戦の高知高校戦では5回2失点の好投で勝利投手となり、準々決勝の星稜戦では9回を締めくくるリリーフとして貢献しました。
一方、準決勝の大阪桐蔭戦では3回途中から登板して5回4失点と打ち込まれ、チームは敗退。
大阪桐蔭の松尾汐恩選手(現・横浜DeNA)にホームランを浴びた経験が、後の「もう一度挑戦したい」という原動力にもなっていきます。
【 #センバツ 】投手王国・国学院久我山の松本慎之介が急成長 自己最速138キロ「甲子園はいい場所」 https://t.co/0Iv2wCcnb9 #野球 #baseball pic.twitter.com/2zfdEMygn5
— スポーツ報知 (@SportsHochi) March 25, 2022
高校3年時には現役で東京大学を受験するも不合格。
しかし松本慎之介投手は予備校に通わず、自宅での宅浪を選択します。
知人の受験に詳しい大学生から週1回アドバイスをもらいながら、ひたすら独学で勉強に打ち込みました。
「一つの目標を立てて、真っすぐ進むことが得意」
という言葉通り、猛勉強の末に東京大学理科二類への合格を手にしました。
松本慎之介の大学時代
2024年に東京大学へ入学した松本慎之介投手は、1年春のリーグ戦最終カードでさっそく神宮のマウンドに立ちます。
初登板では1イニングを無安打無失点と無難なデビューを飾りました。
しかし、1年秋は試練の連続。
開幕の早稲田大学戦では1イニングで7失点を喫し、吉納翼選手(現・東北楽天)にスリーランホームランも浴びました。
防御率は47.25という衝撃的な数字に。
2年春も防御率6.57と苦しみますが、
「シンプルに実力不足。六大学のレベルに適応していなかった」
と冷静に自己分析し、課題の整理に取り組みます。
「ストレートの球威不足」と「変化球が膨らんで見切られていること」という2つの大きなテーマを設定し、フォームやボールの握りを細部まで見直す冬を過ごしました。
その成果が実を結んだのが2年秋のシーズンです。
慶應義塾大学との1回戦でリーグ戦初勝利を挙げると、法政大学との1回戦でも白星。
甲子園と大学の東京六大学リーグ戦の両方で勝利投手となった東大投手は、なんと1934年の梶原英夫氏以来91年ぶり2人目という快挙でした。
松本慎之介のプレースタイル
松本慎之介投手は最速142キロのストレートを投げる技巧派のサウスポー。
最大の武器はランダムに変化するムービングファストです。
このムービングファストは漫画「ダイヤのA」の主人公・沢村栄純が駆使する動くストレートと重なることから、高校時代には“リアル『ダイヤのA』”とも呼ばれていました。
1メートル72、74キロの左腕・松本はリアル「ダイヤのA」だ。同野球漫画の主人公・沢村栄純のように松本の直球は動く。少し落ちたかと思えば、次の球はシュート気味に変化。次はカットボールのように鋭く動いた。最速は130キロだが、ランダムに変化する“魔球”。「自分の特徴であり、持ち味だと思っています」と胸を張る
リアル「ダイヤのA」 国学院久我山の左腕・松本慎之介が「ムービングファスト」で狙うエースナンバー
変化球はスライダー、カーブ、スプリット、チェンジアップ。
好きな投手はアロルディス・チャップマン(レッドソックス)です。
「38歳であの球はすごい。投げ方もカッコいい」と、タイプは異なるが同じサウスポーに強く惹かれているといいます。
目指すのは4〜5種類の球種を使い分けながら、打者がヤマを張ってきた状況でも空振りを奪えるピッチング。
「伸びているときは高めで空振りを取り、そうでない日は低めへの制球で対応できるようにしたい」という言葉に、投球への深い思考がにじみ出ています。
東京大学・松本慎之介(③国学院久我山)
— おともそた (@sota_otm) March 28, 2026
2022センバツにも出場している選手。
対日本製鉄鹿島の初回、三者連続三振かと思われましたが…にしてもナイスピッチングです。
春季リーグ戦が楽しみです。 pic.twitter.com/4tz7r545i9
松本慎之介のまとめ
甲子園でベスト4を経験し、東京大学理科二類に合格。
大学では防御率47.25という壁にぶつかりながらも、課題を自己分析して乗り越え、91年ぶりの快挙を達成した松本慎之介投手。
そんな松本慎之介投手が見据える先は、プロ野球の世界です。
2年秋に2勝を挙げた手応えを機に、大卒でのプロ入りを真剣に考えるようになったといいます。
「入るだけではなく、活躍しないといけない。東大というコミュニティーで一番になっても意味がない」という言葉には、東大ブランドに甘えない強い覚悟が感じられます。
さらにNPBにとどまらず、メジャーリーグへの挑戦も視野に入れているとか。
夢のスケールもまた、並外れていますね。
技術・知性・精神力を兼ね備えた左腕が、東京六大学からプロの舞台へと羽ばたく日はそう遠くないかもしれません。
松本慎之介投手のこれからに、ぜひ注目してみてください!
